知って得する金融の豆知識

公共ファイナンスの必要性

1980年代まで、日本の地域再生ファイナンスは、親会社の信用により調達するコーポレートファイナンスが中心でした。
個々のプロジェクトの善し悪しではなく、親会社さえ見ていれば大丈夫でした。
90年代初頭のバブル崩壊は大型プロジェクトの崩壊が親会社の信用崩壊に直結すること、つまり、コーポレートファイナンスが必ずしも有効でないことを示しました。
90年代後半に、コーポレートではなくプロジェクト自体の採算性を重視するファイナンス手法、「プロジェクトファイナンス」が登場しました。
金融機関は、プロジェクトファイナンスでは、原則として親会社から資金を回収することができないのでプロジェクトに対する正確な目利きが必要となり、目利きに適わなければプロジェクトの資金は容易には集まりません。
この自動停止装置のおかげで、プロジェクトが失敗する可能性は大幅に減りましたが、同時にプロジェクトが進む割合減りました。
その結果、どうしても必要なプロジェクトがある場合、関係者はそのプロジェクトを公共事業の形態を使って推進することになり、当然自治体はそのファイナンスを考える必要が生じます。
自治体であれば、税収もあるし公債も発行できるから何とかなります。
仮に自治体の力を超えても最後は国が面倒見てくれます。
民間ファイナンスでは既に崩壊した「親会社」への依存の仕組みが、公共ファイナンスにはまだ現存しています。
それどころか、公共ファイナンスのみに残っているが故に、依存の圧力は以前を上回っているとも言えるのです。
次々に負担を強いられた地方財政は危機を迎えることになります。
公共ファイナンスの改革の方向性は、かつての民間ファイナンスの改革と同じプロジェクトファイナンスです。
税金だから、国が支援してくれるからという甘えを捨てて、プロジェクト自身の必要性とライフサイクルコストのバランスから客観的に評価し、資金を調達する必要があります。
ゆえに公共ファイナンスの使命は非常に大きいと言えます。